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耳鼻咽喉科研修

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耳鼻咽喉科の研修カリキュラムについて

1.耳鼻咽喉科・頭頸部外科とは

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、他の医療分野と異なる特徴ある診療科です。その理由は、耳鼻咽喉科が臓器別ではなく、頭頸部という部位によって分類された診療科だからです。すなわち、頭頸部の眼球と脳脊髄を除く全ての疾患を扱うことから、耳鼻咽喉科・頭頸部外科と呼ばれています。

耳鼻咽喉科は気道である鼻、口腔、咽頭、喉頭、気管の疾患を扱います。また、食物の通路である口腔、咽頭、食道も耳鼻咽喉科の担当領域です。このように、耳鼻咽喉科は呼吸、嚥下という生命維持に不可欠な機能とその障害を扱い、治療する科なのです。

耳鼻咽喉科はまた、聴覚、平衡覚、味覚、嗅覚などの多くの感覚器を扱う科です。同時に、発声器官や顔面神経などの運動器も扱います。聴覚と発声は最も重要なコミュニケーション手段であると同時に、好きな音楽を聞いたり歌ったりする楽しみに必要な機能です。このような感覚、発声、顔面神経による喜怒哀楽の表現は、生命の維持に必須ではありませんが、人にとって必要不可欠な機能と言えます。耳鼻咽喉科は、患者さんが大いに楽しい人生を送るための手助けを行うことのできる科でもあるのです。

耳鼻咽喉科では、頭頸部癌の切除再建術、聴力改善手術や音声外科などの機能再建手術などの外科的治療だけでなく、アレルギー性鼻炎やめまいなどの内科的治療が中心となる疾患も扱っています。小児の患者も多く、小児耳鼻咽喉科というsubspecialtyもあります。

このように耳鼻咽喉科・頭頸部外科の担当範囲は、想像以上に広く、興味の尽きることはありません。耳鼻咽喉科・頭頸部外科を卒後臨床研修の選択科目にぜひ、選択していただきたいと思います。

2.研修の目的

耳鼻咽喉科・頭頸部外科臨床研修プログラムの目的は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の知識を学ぶとともに、プライマリーケアにも役立つ基本的技術を習得することです。このプログラムでは、鼻出血の止血、鼻骨骨折整復、気管切開など救急外来で必要な手技を身につけるとともに、日常診療で遭遇することの多い急性中耳炎、良性発作性頭位めまい症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、急性扁桃炎、咽頭・食道異物などの耳鼻咽喉科疾患の診断と治療を実地に経験してもらいます。

3.研修の内容

  1. 耳鼻咽喉科診察

    耳鼻咽喉科の診断で最も大切なことは自分の眼で視て病態を判断することです。耳鼻咽喉科視診の技術を習得し、視たものがどういう状態であるか判断できる能力を養うことが大切です。たとえば鼓膜を視たいと思っても初心者にとっては簡単な事ではありません。また、鼓膜がどのような病的状態であるかの判断を行うことは、もっと難しいものです。以下に耳鼻咽喉科診察のために習得すべき技術を列挙します。

    • 耳鏡
    • 鼻鏡
    • 間接喉頭鏡
    • 後鼻鏡
    • 鼓膜鏡
    • 鼻用内視鏡
    • 鼻用ファイバースコープ
    • 鼻用電子スコープ
    • 喉頭ファイバースコープ
    • 喉頭電子スコープ
    • 食道鏡
    • 食道ファイバースコープ
    • 気管・気管支鏡
    • 気管・気管支ファイバースコープ
  2. 耳鼻咽喉科機能検査

    耳鼻咽喉科は数々の感覚器を扱います。そのために多種多用の機能検査法があります。これらの検査の意義と実際を学んでいただきます。

    • 聴覚検査 (純音聴力検査、語音聴力検査、脳波聴力検査)
    • 平衡機能検査 (カロリックテスト、眼振検査・電気眼振図、グリセロールテスト)
    • 顔面神経検査 (流涙検査、味覚検査、耳小骨筋反射、誘発筋電図)
    • 嗅覚検査(アリナミンテスト、T&Tオルファクトメーター)
    • 鼻アレルギー検査(鼻汁好酸球検査、皮膚テスト)
    • 唾液腺造影検査(耳下腺造影、顎下腺造影)
  3. 耳鼻咽喉科外来診療

    耳鼻咽喉科の診療のためには、ユニットと呼ばれる診察装置を用います。視診、処置のために有用な器具がまとまり、効率の良い診察が可能です。耳鼻咽喉科的視診と機能検査法を学んだのち指導医と共に外来診療として以下の処置を行っていただきます。

    • 鼻出血止血処置
    • 鼻骨骨折整復
    • 耳処置
    • 鼻処置
    • 咽頭処置
    • 鼓膜切開
    • 耳管通気
    • 鼻ネブライザー
  4. 耳鼻咽喉科手術

    耳鼻咽喉科の手術は耳科、鼻科、口腔咽頭科、喉頭科、頭頸部外科など多岐にわたります。これらのうち、基本となる以下の手術を指導医のもとで実際に行っていただきます。その他の頭頸部外科の手術については助手をつとめていただきます。

    • 気管切開術
    • 咽頭・食道異物除去術
    • 扁桃周囲膿瘍切開術
    • 喉頭微細手術
    • アデノイド切除術
    • 口蓋扁桃摘出術
    • 鼓膜チューブ留置術
    • 頸部良性腫瘍摘出術
  5. 耳鼻咽喉科病棟診療

    病棟における処置は、基本的には外来診療と同じく診療ユニットを用います。病棟での業務は手術後の処置が中心になります。頭頸部悪性腫瘍患者に対しては栄養学科とNSTを作り栄養管理を行っており、術後栄養管理の実際も学んでいただきます。

  6. 教育研究活動

    毎週火曜日の回診後に病棟カンファレンスを行い、入院患者さんの診断や今後の治療方針を決定しています。研修医の先生には受け持ち患者の症例報告を行っていただきます。また放射線科医との合同で、放射線治療のカンファレンス、画像診断のカンファレンスを行っています。このカンファレンスにより、病態をどのように把握し、どういった治療方法を選択するかを実際の症例をもとに学んでいただきます。

    毎週火曜日の午後6時より、最近の欧文文献の抄読会を行っています。研修医の先生にも最新の論文を読んでいただきその内容を発表していただきます。また、研究カンファレンスでは、各研究者の研究報告が行なわれ、今後の研究方向などが議論されるので、医学の研究の一端に触れていただけると思います。

    研修期間中における学会・研究会・勉強会に積極的に参加し、最新の知見を身に付けるようにしていただきます。

  7. 最後に

    以上、徳島大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の研修内容を記載しました。このプログラムでは、耳痛、鼻出血、鼻骨骨折、めまい、咽頭、食道異物、気道異物など、日常の救急外来で遭遇する頻度の高い疾患の実地を経験してもらい、プライマリーケアにも大いに役立つことでしょう。将来、耳鼻咽喉科を専攻するか否かに関わらず、頭頸部外科としての耳鼻咽喉科を経験することが将来の臨床に役立つことでしょう。卒後臨床研修の選択科目としてぜひ、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を選択することをお勧めします。

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