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整形外科研修

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整形外科の研修カリキュラムについて

1.整形外科とは

整形外科は運動器を専門に扱う分野です。運動器とは、四肢・体幹の骨格、関節、靱帯、筋や脊髄・神経であり、身体の感覚を脳に伝えて、反射的あるいは意志に基づく身体の運動を行う器官です。

運動器により営まれる運動は、脳や神経系を賦活し、循環系や代謝系の健康を保つために重要な役割を果たしています 。もし、身体の運動が正しく行われなくなれば、脳や神経のコントロール機能が衰え、身体に慢性の痛みを来し、身体がスムーズに動かなくなるばかりか、心のストレスにも悩まされます。そして、高血圧、高脂血症、糖尿病や心疾患の発症の原因にもなってきます。したがって運動は、脳を働かせ、生命を支え、人に幸せをもたらすものです。

この運動器障害は頻度が高く、患者のQOLの低下、生命予後への影響などからも、極めて大きな負担を社会に与えます。全年齢での有訴率の上位3位は運動器の訴えであり、患者数でも総数では消化器、循環器についで3位です。さらに高齢化とともにこの順位は上がります。このように整形外科専門医が数多く求められている一方、一般臨床医にとっても整形外科の知識が必要です。

2.カリキュラムの内容

徳島大学附属病院整形外科では、運動器の各分野をバランスよく研修できます。関節変性疾患、脊椎変性疾患、リウマチ、骨軟部腫瘍、スポーツ、骨粗鬆症、小児・難治骨折、手の外科などについて専門医が直接指導にあたります。また、リハビリテーションも学会専門医、臨床認定医が指導にあたります。

病棟では指導医とともに毎週1症例程度の手術患者を受け持ちます。厳密な清潔操作を早期に身につけるとともに、治療プランニング、患者さんへの説明なども自分でできるよう訓練します。また、リハビリや装具の処方も指導を受けつつ行います。

外来では、病歴、理学所見などからの診断の組み立て、保存的治療の実際について指導を受けます。協力型病院で整形外科を選択されると、外傷と関節変性疾患、脊椎変性疾患が研修の中心となります。各施設とも複数の整形外科専門医が指導にあたります。

このように本カリキュラムでは一般臨床医として必要最低限の運動器についての知識、技能を身に付けるとともに、整形外科医としての第1歩を踏み出せるような研修を行います。

3.カリキュラムの到達目標(卒後臨床研修プログラムと整合性にご留意ください)

整形外科研修(3か月)では、本院卒後研修プログラム中の運動器疾患で経験すべき症状・病態・疾患を(◎)満たすことを目標とします。また、整形外科研修を6か月選択された場合は、より専門的な知識、手技を(○)習得する事を目標とします。

I.救急医療

一般目標

運動器救急疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を修得する。

行動目標

  1. ◎多発外傷における重要臓器損傷とその症状を述べることができる。
  2. ◎骨折に伴う全身的・局所的症状を述べることができる。
  3. ◎神経・血管・筋腱損傷の症状を述べることができる。
  4. ◎脊髄損傷の症状を述べることができる。
  5. ◎多発外傷の重症度を判断できる。
  6. ◎多発外傷において優先検査順位を判断できる。
  7. ◎開放骨折を診断でき、その重症度を判断できる。
  8. ◎神経・血管・筋腱の損傷を診断できる。
  9. ◎神経学的観察によって麻痺の高位を判断できる。
  10. ◎骨・関節感染症の急性期の症状を述べることができる。
II.慢性疾患

一般目標

適正な診断を行うために必要な運動器慢性疾患の重要性と特殊性について理解・修得する。

行動目標

  1. ◎変性疾患を列挙してその自然経過、病態を理解する。
  2. ◎関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変性疾患、骨粗鬆症、腫瘍のX線、MRI、造影像の解釈ができる。
  3. ◎上記疾患の検査、鑑別診断、初期治療方針を立てることができる。
  4. ◎腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれの症状、病態を理解できる。
  5. ○神経ブロック、硬膜外ブロックを指導医のもとで行うことができる。
  6. ○関節造影、脊髄造影を指導医のもとで行うことができる。
  7. ◎理学療法の処方が理解できる。
  8. ○後療法の重要性を理解し適切に処方できる。
  9. ○一本杖、コルセット処方が適切にできる。
  10. ◎病歴聴取に際して患者の社会的背景やQOLについて配慮できる。
  11. ○リハビリテーション・在宅医療・社会復帰などの諸問題を他の専門家、コメディカル、社会福祉士と検討できる。
III.基本手技

一般目標

運動器疾患の正確な診断と安全な治療を行うためにその基本的手技を修得する。

行動目標

  1. ◎主な身体計測(ROM、MMT、四肢長、四肢周囲径)ができる。
  2. ◎疾患に適切なX線写真の撮影部位と方向を指示できる(身体部位の正式な名称がいえる)。
  3. ◎骨・関節の身体所見がとれ、評価できる。
  4. ◎神経学的所見がとれ、評価できる。
  5. ○一般的な外傷の診断、応急処置ができる。
    1. 成人の四肢の骨折、脱臼
    2. 小児の外傷、骨折
      肘内障、若木骨折、骨端離開、上腕骨顆上骨折など
    3. 靱帯損傷(膝、足関節)
    4. 神経・血管・筋腱損傷
    5. 脊椎・脊髄外傷の治療上の基本的知識の修得
    6. 開放骨折の治療原則の理解
  6. ○免荷療法、理学療法の指示ができる。
  7. ○清潔操作を理解し、創処置、関節穿刺・注入、小手術、直達牽引ができる。
  8. ○手術の必要性、概要、侵襲性について患者に説明し、うまくコミュニケーションをとることができる。
IV.医療記録

一般目標

運動器疾患に対して理解を深め、必要事項を医療記録に正確に記載できる能力を修得する。

行動目標

  1. ◎運動器疾患について正確に病歴が記載できる。
    主訴、現病歴、家族歴、職業歴、スポーツ歴、外傷歴、アレルギー、内服歴、治療歴
  2. ◎運動器疾患の身体所見が記載できる。
    脚長、筋萎縮、変形(脊椎、関節、先天異常)、ROM、MMT、反射、感覚、歩容、ADL
  3. ◎検査結果の記載ができる。
    画像(X線像、MRI、CT、シンチグラム、ミエログラム)、血液生化学、尿、関節液、病理組織
  4. ◎症状、経過の記載ができる。
  5. ○検査、治療行為に対する インフォームド・コンセントの内容を記載できる。
  6. ○紹介状、依頼状を適切に書くことができる。
  7. ○リハビリテーション、義肢、装具の処方、記録ができる。
  8. ◎診断書の種類と内容が理解できる。
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